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防衛産業への参入では、「武器等製造法の許可を取ればよい」という単純な整理では足りません。
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防衛産業への参入では、「武器等製造法の許可を取ればよい」という単純な整理では足りません。
一方、防衛関連事業には、製品の内容や事業スキームによって、武器等製造法、外国為替及び外国貿易法による安全保障貿易管理、防衛装備品の調達制度、情報保全制度その他の規制が重層的に関係します。
そのため、防衛産業への参入を検討する場合には、最初に、
「何を製造するのか」
「誰に供給するのか」
「国内だけで使用するのか」
「海外移転を予定しているのか」
「設計情報・ソフトウェア・技術情報を海外へ提供するのか」
を整理し、必要な許認可と管理体制を特定することが重要です。
緒方法務事務所では、金融規制・経済安全保障・高度な許認可手続を取り扱う行政書士事務所として、防衛関連事業への参入段階から許認可、輸出管理、行政機関との事前相談、社内規程整備まで総合的に支援します。
防衛産業に参入するための統一的な「防衛産業参入許可」という制度が存在するわけではありません。
防衛省・自衛隊向けに製品やサービスを提供する企業であっても、そのすべてが武器等製造法の許可を取得する必要があるわけではありません。
例えば、通信システム、ソフトウェア、一般的な電子部品、素材、設備、ITサービスなどを提供する場合には、武器等製造法上の「武器」に該当しないことがあります。
反対に、完成品そのものが武器でなくても、専ら武器に使用される一定の部品などについては、武器等製造法上の規制対象となる可能性があります。
したがって、防衛関連事業への参入では、最初から「武器製造事業の許可申請」を進めるのではなく、まず対象製品・部品・技術の法的位置付けを確認することが重要です。
武器等製造法は、武器の製造事業を規制するとともに、武器や猟銃等の製造・販売その他の取扱いを規律する法律です。
同法上の「武器」には、銃砲、銃砲弾、一定の爆発物、爆発物を投下・発射する一定の機械器具、それらに類する一定の機械器具、専らこれらに使用される一定の部品などが含まれます。
そして、武器の製造事業を行おうとする場合には、工場又は事業場ごとに、製造する武器の種類を定めて、経済産業大臣の許可を受けることが原則となります。
ここでいう「製造」には、一定の場合、改造や修理も含まれます。
したがって、新規製造だけでなく、防衛装備品の改修・修理事業への参入についても、事業内容を事前に検証する必要があります。
対象となる武器を適切かつ安全に製造できる設備であることが求められます。
既存の製造工場をそのまま利用できるとは限りません。
製造しようとする武器の種類、工程、設備構成等を踏まえ、法令上要求される技術上の基準との適合性を検討します。
製造した武器の亡失・盗難等を防止できる保管設備が必要となります。
製品の種類、数量、保管方法、施設の構造等を踏まえた管理体制を設計する必要があります。
また、武器製造事業者には、武器の保管について保管規程を定め、所定の認可を受ける制度も設けられています。
事業を適確に遂行できる経理的基礎も審査対象となります。
設備投資額、製造計画、事業収支、資金調達方法などを含め、継続的に事業を遂行できる会社であることを説明できる状態にしておくことが重要です。
法令違反歴や過去の許可取消し等についても審査対象となります。
役員・会社の状況を含め、申請前に欠格事由その他の許可要件を確認します。
研究開発や試作品の製造であっても、自動的に規制対象外になるわけではありません。
武器等製造法では、一定の試験的製造等について通常の武器製造事業とは異なる許可制度が設けられています。
防衛系スタートアップでは、
「まだ量産していない」
「研究開発段階である」
「防衛省に提案するための試作品である」
というケースが少なくありません。
このような場合こそ、試作開始前に、対象物の法的分類と必要手続を確認することが重要です。
近年、防衛分野では民間技術の活用が急速に進んでいます。
代表的なものとして、
ドローン・無人航空機、無人艇、無人車両、AI画像認識、レーダー、センサー、衛星通信、暗号・通信技術、ロボティクス、半導体、高機能素材などがあります。
これらは民生用途にも防衛用途にも利用できる、いわゆるデュアルユース技術です。
しかし、デュアルユース技術であるというだけで武器等製造法の規制対象になるわけではありません。
反対に、完成品の名称が「ドローン」「センサー」「通信装置」などであっても、その構造、機能、使用目的、組込み先等によっては、武器等製造法その他の規制を検討する必要があります。
したがって、製品名だけではなく、仕様・用途・構成部品・最終需要者まで含めて判断することが重要です。
武器等製造法上の許可を取得しているからといって、その製品を自由に海外へ輸出できるわけではありません。
海外への貨物の輸出や技術提供については、外国為替及び外国貿易法に基づく安全保障貿易管理の検討が必要となります。
特に防衛関連事業では、
貨物の該非判定、技術の該非判定、仕向地、需要者、最終用途、取引経路
を確認する必要があります。
規制対象は、物理的な製品の輸出だけではありません。
設計図、製造ノウハウ、プログラム、技術データその他の規制対象技術を外国へ提供する場合には、役務取引に関する許可が必要となることがあります。
海外企業との共同開発、外国法人への技術説明、海外拠点とのデータ共有、国外での技術支援などについても、事前に安全保障貿易管理上の検討が必要です。
防衛産業では、製品管理と技術情報管理を一体として設計することが重要になります。
2026年4月21日、防衛装備移転三原則及びその運用指針が改正されました。
これまで国産完成品について存在していた「救難・輸送・警戒・監視・掃海」という、いわゆる5類型による制限が見直され、安全保障上のパートナー国に対しては、従来より幅広い完成品について海外移転を認め得る制度となっています。
これは、防衛関連企業の海外展開を考えるうえで非常に重要な制度変更です。
しかし、防衛装備品を自由に輸出できる制度になったわけではありません。
海外移転については、国際約束、仕向国、最終需要者、最終用途、安全保障上の懸念、目的外使用、第三国移転その他の事情について厳格な審査が行われます。
そのため、防衛装備品の海外展開を計画する企業は、事業計画の初期段階から、国内製造規制と輸出管理を並行して検討する必要があります。
防衛省・防衛装備庁との取引を行う場合には、武器等製造法上の許認可とは別に、国の調達制度への対応が必要となります。
現在、防衛装備品等の調達では、電子入札、電子契約、代金請求、各種申請などの電子化も進められています。
したがって、防衛産業への参入では、
製品を合法的に製造できる体制
だけでなく、
実際に防衛省・防衛装備庁と契約し、契約を履行できる会社体制
まで設計することが重要です。
防衛省との契約で「保護すべき情報」を取り扱う場合には、所定の情報セキュリティ基準に基づいた管理体制の整備が必要になります。
契約内容によっては、情報セキュリティ基本方針等の整備、情報システムに関する計画書、取扱者の管理その他の対応が必要となります。
また、特定秘密、特別防衛秘密、装備品等秘密などを取り扱う契約については、より高度な秘密保全体制が問題となります。
そのため、サイバーセキュリティ部門だけに任せるのではなく、
契約管理、従業者管理、外部委託管理、情報システム管理、秘密保持、サプライチェーン管理
を一つのコンプライアンス体系として構築することが重要です。
防衛産業の情報保全制度では、「防衛事業適合事業者制度」への移行も進められています。
この制度では、従来、調達契約ごと・秘密区分ごとに行われていた秘密保全に関する手続を整理し、秘密を取り扱う組織単位での管理へ移行する仕組みが導入されています。
現在の予定では、令和10年度に制度への完全移行が予定されています。
今後継続して防衛省の機微な情報を取り扱うことを予定している企業にとって、情報保全体制は将来の受注能力そのものに関係する重要な経営課題となります。
防衛関連企業にとって重要なのは、許認可を取得することだけではありません。
指定装備品等の製造事業者については、防衛生産基盤強化法に基づき、安定的な製造等を確保するための「装備品安定製造等確保計画」を作成し、防衛大臣の認定を受ける制度があります。
認定された事業者については、一定の場合、設備投資、サプライチェーン強靱化、製造工程の効率化、サイバーセキュリティ強化等に関する取組について財政上の措置の対象となる可能性があります。
したがって、防衛産業への参入では、
規制をクリアするための手続だけでなく、国の政策的な支援制度を活用しながら事業基盤を構築する視点も重要です。
まず、製造する製品、使用目的、販売先、最終需要者、製造場所、海外取引の有無、共同開発先などを整理します。
対象製品・部品が武器等製造法上の「武器」に該当するかを検討し、武器製造事業許可その他の手続が必要か確認します。
外為法、火薬類関係法令、銃砲等の所持に関する規制その他、事業内容に応じて関連法令を確認します。
判断が難しい案件については、必要に応じて所管行政機関との事前相談を行い、申請方針を固めます。
製造設備、保管設備、組織体制、責任者、社内規程、情報管理体制などを整備します。
事業計画、設備関係資料、会社関係資料、社内規程その他の必要書類を整備し、申請を進めます。
防衛省・防衛装備庁との取引を予定する場合には、調達手続や情報セキュリティ・秘密保全体制についても準備します。
貨物・技術の該非判定、需要者審査、用途確認、必要な輸出許可・役務取引許可などを検討します。
防衛関連事業では、一つの許可申請だけを切り離して処理すると、後の事業段階で別の規制が問題となることがあります。
当事務所では、まず事業スキーム全体を確認し、
武器等製造法、外為法、防衛装備品調達、情報保全、経済安全保障その他の関連制度
を横断して必要な手続を整理します。
対象製品の整理、許可要件の確認、申請方針の策定、申請書類の作成、添付資料の整理、行政機関との事前相談などを支援します。
ドローン、AI、ロボティクス、通信、センサー、半導体、新素材その他のデュアルユース技術について、事業内容から関係する法規制を整理します。
海外輸出や技術提供を予定している場合には、貨物・技術の規制区分、取引スキーム、需要者、用途等を確認し、必要な許可手続を整理します。
許可取得後の適正な事業運営を見据え、保管管理、輸出管理、情報管理その他の社内規程・運用体制の整備を支援します。
規制対象性や申請方針が明確でない案件について、論点を整理したうえで行政機関との事前相談を行います。
民生技術を防衛用途へ展開したい製造業
ドローン・無人機・ロボティクス分野のスタートアップ
AI・画像認識・センシング技術を防衛分野へ提供したい企業
防衛装備品メーカーのサプライチェーンへ新規参入したい企業
武器専用部品に該当する可能性のある部品を製造する企業
防衛装備品の修理・改造事業を開始したい企業
防衛省・防衛装備庁との直接取引を検討している企業
海外の防衛関連企業との共同開発・輸出を検討している企業
自社製品が武器等製造法や外為法の対象になるか判断できない企業
必ず必要になるわけではありません。
武器等製造法上の「武器」に該当する製品等の製造事業を行う場合には許可が問題となりますが、防衛省向け製品であっても同法上の武器に該当しないものがあります。
まず製品・部品の法的位置付けを確認する必要があります。
ドローンという名称だけでは判断できません。
構造、機能、搭載物、用途、設計内容、最終需要者などを確認したうえで判断する必要があります。
一定の部品については対象となる可能性があります。
武器等製造法は、専ら一定の武器に使用される政令指定の部品についても「武器」に含めています。
個別の仕様を確認した判断が必要です。
必ずしもそうではありません。
試験的製造についても別途許可が問題となる場合があるため、試作品を製造する前に確認することを推奨します。
国内取引だけで完結する場合でも、海外企業との共同開発、外国への技術提供、海外サーバーを利用した情報共有などが存在すれば、安全保障貿易管理の検討が必要になることがあります。
できるとは限りません。
国内製造に関する武器等製造法と、海外への輸出・技術提供を規制する外為法その他の制度は別の制度です。
海外移転を予定する場合には別途検討が必要です。
むしろ事業化前のご相談を推奨します。
工場を建設した後や製品開発後に規制上の問題が判明すると、設備や設計の変更が必要となる可能性があります。
事業計画・製品仕様が固まり始めた段階で法規制を確認することが重要です。
検討中の事業内容と現在の準備状況を添えて、ご相談ください。
武器製造事業許可申請|武器等製造法・防衛産業参入を専門行政書士が支援
編集・発信:行政書士 緒方法務事務所
運営責任者:特定行政書士 緒方 隆朗(資格・経歴・事務所概要)
ページ更新日:2026年10月16日