【海外展開】そのAIプログラム、許可なくメールで送ると法違反?半導体・IT企業が知っておくべき
「輸出管理」と「該非判定」
【海外展開】そのAIプログラム、許可なくメールで送ると法違反?半導体・IT企業が知っておくべき
「輸出管理」と「該非判定」
【海外展開】そのAIプログラム、許可なくメールで送ると法違反?半導体・IT企業が知っておくべき「輸出管理」と「該非判定」
記事概要
近年、米中対立や地政学リスクの高まりを受け、日本でも「経済安全保障推進法」が成立するなど、先端技術の海外流出に対する規制が急速に厳格化しています。
特に「AI(人工知能)」や「半導体」に関連する技術は、軍事転用が可能であるため、国際的に最も監視が厳しい分野の一つです。
「ウチは小さな開発会社だから関係ない」「海外に工場を作るわけではない」と思っていても、実は知らないうちに外為法(外国為替及び外国貿易法)違反のリスクを負っている可能性があります。
今回は、ハイテク企業が海外展開や外国人材採用をする際に避けて通れない「輸出管理(安全保障貿易管理)」と、必須の手続きである「該非判定」について解説します。
本文
1. 「モノ」の輸出だけじゃない?見落としがちな「技術」の輸出
「輸出管理」と聞くと、製品をコンテナで海外へ送る場面を想像する方が多いでしょう。しかし、外為法で規制されているのは「貨物」だけではありません。「技術(テクノロジー)」の提供も規制対象です。
特にAIやソフトウェア開発企業で注意が必要なのは、以下のようなケースです。
自社開発したAIのソースコードを、海外の提携先にメールで送信した。
USBメモリに入れた設計データを、海外出張の際にハンドキャリーで持ち出した。
海外のサーバー(クラウド)に、規制対象となる技術データをアップロードした。
これらはすべて「輸出(役務取引)」とみなされ、その技術が規制リストに該当する場合、経済産業大臣の許可がなければ違法(無許可輸出)となり、刑事罰や行政制裁の対象となります。
2. 半導体・AI関連は「リスト規制」のど真ん中
輸出管理には、大きく分けて「リスト規制」と「キャッチオール規制」の2つがあります。
「リスト規制」は、武器そのものや、軍事転用される可能性が高い汎用品(炭素繊維、高性能工作機械など)を具体的に指定したものです。
昨今話題の高性能半導体、半導体製造装置、特定の暗号技術を用いたプログラムなどは、このリスト規制に該当する可能性が非常に高い分野です。
自社の製品や技術がこのリスト(輸出貿易管理令別表第1など)に該当するかどうかを調べる手続きを「該非判定(がいひはんてい)」と呼びます。
3. 税関や取引先から求められる「該非判定書」
海外へ製品を輸出する際、通関時に税関から「この製品が規制対象でないことを証明してください」と求められることがあります。また、大手メーカーと取引する際にも「該非判定書(パラメータシート)」の提出が取引条件になることが一般的です。
しかし、この判定作業は非常に専門的で複雑です。
「省令」や「解釈」を読み解き、製品のスペック(周波数、演算能力、暗号強度など)と照らし合わせて、正確に〇か×かを判断しなければなりません。
もし誤って「非該当(規制対象外)」と判定して輸出し、後から実は「該当(規制対象)」だったことが発覚すれば、企業の社会的信用は失墜してしまいます。
4. 行政書士による「該非判定」と「社内体制構築」のサポート
高度な技術を持つ企業ほど、開発に専念すべきであり、複雑な法規制のチェックに時間を割くのは得策ではありません。
当事務所では、輸出管理実務に詳しい行政書士が、以下のサポートを行っております。
該非判定書の作成代理・作成支援:
貴社の製品・技術が規制対象かどうか、専門的な見地から調査し、判定書(パラメータシート・項目別対比表)の作成をサポートします。
規制対象(該当)となった場合に必要となる、経済産業省への輸出許可申請を代行します。
社内コンプライアンス体制(CP)の構築:
どのような手順で輸出管理を行うべきか、社内規定の整備や社員研修を支援します。
【まとめ】技術を守ることは、企業を守ること
AIや半導体といった最先端技術は、日本の宝であると同時に、扱いを間違えれば国際問題にも発展しかねないセンシティブなものです。
「知らなかった」では済まされない外為法のリスク。海外企業との取引や、海外サーバーの利用、外国人エンジニアの採用などを検討されている場合は、まずは一度、輸出管理の専門家である行政書士にご相談ください。
貴社の技術を安全に世界へ展開するためのパスポートをご用意いたします。