空き家対策の切り札?「民泊×管理型信託」で実現する
新しい資産管理スキーム
空き家対策の切り札?「民泊×管理型信託」で実現する
新しい資産管理スキーム
空き家対策の切り札?「民泊×管理型信託」で実現する新しい資産管理スキーム
インバウンド需要の回復に伴い、改めて注目されている「民泊ビジネス」。
しかし、事業拡大を目指す事業者様が直面するのが、「物件確保の難しさ」と「権利関係の複雑さ」です。
特に、地域の課題である「空き家」を複数集めて再生・運用しようとする際、個々のオーナー様との調整や、物件ごとの管理体制の構築に頭を悩ませてはいませんか?
今回は、そうした不動産運用の課題を解決する高度なスキームとして、「管理型信託」を活用したアプローチをご紹介します。
なぜ今、民泊・空き家再生に「信託」なのか?
通常、他人の不動産を預かって民泊として運用する場合、サブリース(転貸)契約や管理委託契約が一般的です。しかし、事業規模が大きくなったり、投資家から資金を集めてリノベーションを行う場合、従来の契約形態では以下のようなリスクや限界が生じます。
オーナーの権利リスク:オーナーが認知症になったり、相続が発生した場合、契約の継続や修繕の意思決定がストップする恐れがある。
倒産リスクの遮断:運営会社やオーナー自身の経営状況が悪化した際、物件が差し押さえられるリスクがある。
ここで有効なのが、不動産を「信託」する手法です。
「管理型信託」を活用したスキームの仕組み
運用型の信託会社(信託銀行など)を活用するのはハードルが高いですが、「管理型信託業」の登録を受けた事業者であれば、比較的参入しやすいスキームを組むことが可能です。
【スキームの概要】
委託(信託):空き家のオーナー様が、不動産の名義を「管理型信託会社(貴社)」に移転します。
受益権化:オーナー様は、代わりに「信託受益権(利益を受け取る権利)」を受け取ります。
指図と管理:リノベーションや民泊運用の具体的な指示(指図)は、プロのアセットマネージャーやオーナー自身が行い、信託会社はあくまでその指示に従って「管理・保全」を行います。
【事業者にとってのメリット】
管理の一元化:法的な名義が信託会社に集約されるため、対外的な契約や手続きを一元化できます。
倒産隔離機能:信託財産は、委託者や受託者の固有財産から切り離されます(倒産隔離)。これにより、投資家や金融機関からの信頼が得やすくなり、資金調達がスムーズになります。
「管理型信託業」登録のポイント
このスキームを自社グループで内製化したり、新たなサービスとして提供したりするためには、「管理型信託業」の登録が必要です。
一般的な運用型信託業と異なり、「委託者の指図に基づいて管理のみを行う」ため、登録のハードルは比較的低く設定されていますが、それでも以下の要件等をクリアする必要があります。
資本金(純資産):5,000万円以上
人的構成:信託業務に関する知識経験を有する者の配置
体制整備:分別管理体制、コンプライアンス体制の構築
特に、民泊新法(住宅宿泊事業法)や旅館業法と、信託業法が交差する領域となるため、許認可の組み合わせには専門的な法的判断が不可欠です。
最後に:複雑なスキーム構築こそ専門家へ
「管理型信託」は、単なる資産管理の枠を超え、空き家問題の解決や地域活性化ファンドの組成など、不動産ビジネスの可能性を大きく広げるツールです。
一方で、信託業法に基づく登録申請は、金融庁(財務局)との折衝が必要となる難易度の高い手続きです。
当事務所では、管理型信託業の登録申請はもちろん、不動産特定共同事業法(不特法)や民泊関連法規と絡めた総合的なビジネススキームのご相談も承っております。
「自社の不動産ビジネスに信託を取り入れたい」とお考えの事業者様は、ぜひ一度ご相談ください。