金融庁が注視するSNS広告規制と第一種金商登録|インフルエンサー勧誘の落とし穴
金融庁が注視するSNS広告規制と第一種金商登録|インフルエンサー勧誘の落とし穴
金融庁が注視するSNS広告規制と第一種金商登録|インフルエンサー勧誘の落とし穴
記事概要
【行政書士解説】FXや証券事業(第一種金融商品取引業)への参入において、金融庁が最も厳しく審査するポイントの一つが「広告審査体制」です。インフルエンサーやSNSを活用した集客のリスク、誇大広告規制、そして登録審査をクリアするために必要な内部管理体制について解説します。
本文
はじめに:金融ビジネスにおける「集客」と「規制」のジレンマ
証券会社やFX事業(第一種金融商品取引業)を立ち上げる際、多くの経営者が「どうやって集客するか」というマーケティング戦略に注力します。近年では、X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなどのSNSを活用し、インフルエンサーやアフィリエイターを通じて口座開設を促す手法が一般的です。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
金融庁は現在、「SNS上の不適切な勧誘」に対する監視をかつてないほど強化しています。
これから第一種の登録を目指す事業者にとって、「売上のためのマーケティング」だけでなく、「登録審査を通るための広告管理体制」を構築することは、避けて通れない最重要課題です。
1. インフルエンサー任せは危険? 金融商品取引法の「広告規制」
金融商品取引法第37条では、広告等の規制について厳格に定めています。特に注意が必要なのが、外部のパートナー(アフィリエイターやインフルエンサー)を使った広告活動です。
たとえ外部に委託していたとしても、不適切な表現があれば「広告主である事業者(金商業者)」の責任が問われます。
【よくあるNG事例】
断定的判断の提供: 「絶対に儲かる」「〇〇円まで上がる」といった、不確実なことを確実であるかのように誤認させる表現。
著しく事実に相違する表示(誇大広告): リスクを小さく見せたり、過去のシミュレーション結果を将来の確定利益のように見せたりする表現。
未登録業者の紹介: 海外無登録業者への誘導など。
「インフルエンサーが勝手に書いた」という言い訳は、監督官庁には通用しません。
2. 第一種登録の審査で見られる「広告審査体制」とは?
第一種金融商品取引業の登録審査において、当局は申請会社の「広告審査フロー」を徹底的に確認します。単に「嘘をつきません」と宣言するだけでは許可は下りません。
具体的には、以下のような実効性のある内部管理体制(ガバナンス)が構築されているかが問われます。
独立した審査部門: 営業部門(マーケティング)とは切り離された、コンプライアンス部門が広告の可否を判断する権限を持っているか。
審査基準の明確化: 「広告審査規程」や「マニュアル」が整備され、具体的なNGワードやチェック項目が定められているか。
事後モニタリング: 掲載後の広告(特に外部委託先)を定期的にパトロールし、不適切な記述があれば即座に修正・削除させる仕組みがあるか。
スタートアップ企業の場合、社長や営業担当がコンプライアンス担当を兼務しようとするケースがありますが、「牽制機能が働かない」として、審査でストップがかかる典型的なパターンです。
3. 「集客」の前に「守り」を固めることの重要性
もし、十分な体制を作らずに見切り発車で営業を開始し、SNSで炎上やトラブルが発生した場合、どうなるでしょうか?
金融庁からの業務改善命令や業務停止命令はもちろん、最悪の場合は「登録の取り消し」に至る可能性があります。金融業界において行政処分を受けることは、信用失墜により市場からの退場を意味します。
これから事業を始める皆様へのアドバイスは、「広告のガイドライン作成と、それをチェックする組織図作りは、事業計画の初期段階で行うべき」ということです。
4. 行政書士のサポート範囲
第一種金融商品取引業の登録申請は、書類を作るだけの手続きではありません。当事務所では、以下のような「体制構築」の実務面からサポートを行っております。
広告審査規程・マニュアルの策定支援
組織体制図(コンプライアンス部門の独立性確保)のアドバイス
社内研修資料の作成サポート
「どのような表現が金商法に抵触するか」「当局が求める審査基準はどのレベルか」といった専門的な知見に基づき、スムーズな登録と安全な事業スタートを支援します。
おわりに
金融ビジネスにおいて、コンプライアンスは「コスト」ではなく、事業を継続させるための「投資」です。
SNSマーケティングを活用しつつ、法令を遵守した強固な組織を作りたいとお考えの経営者様は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。