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X、Instagram、YouTube、TikTok、LINEなどを利用した金融商品のマーケティングは、金融商品取引業者にとって重要な顧客獲得手段となっています。
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X、Instagram、YouTube、TikTok、LINEなどを利用した金融商品のマーケティングは、金融商品取引業者にとって重要な顧客獲得手段となっています。
一方、金融商品取引業におけるSNS運用は、一般の商品・サービスのSNS広告とは大きく異なります。
金融商品取引法上の「広告等」に該当すれば、金融商品取引業者の商号・登録番号、手数料、リスクその他の法定表示が問題となるほか、誇大広告、断定的判断を伴う勧誘、インフルエンサーやアフィリエイターを利用した広告、DMやチャットを利用した個別勧誘などについても慎重な管理が必要となります。
特に第一種金融商品取引業への新規参入を検討する事業者にとって、SNSマーケティングは「登録後に考える広告施策」ではありません。
登録申請の段階から、誰が広告を作成し、誰が審査し、どの基準で承認し、外部委託先をどのように管理し、掲載後にどのようにモニタリングするのかという広告審査・勧誘管理態勢そのものを設計する必要があります。
行政書士 緒方法務事務所では、第一種金融商品取引業をはじめとする金融規制・金融行政手続の専門性を活かし、登録申請書類の作成だけではなく、広告審査規程、広告審査マニュアル、インフルエンサー・アフィリエイト管理、内部管理フローの構築まで含めた支援を行っています。
金融商品取引法上の広告規制では、媒体の名称よりも、その情報提供の実態が重要です。
自社ホームページに掲載された広告だけが規制対象になるわけではありません。
Xの投稿、Instagramの投稿やストーリーズ、YouTube動画、ショート動画、メッセージアプリ、電子メールその他の方法による情報提供であっても、その内容や配信方法によっては金融商品取引法上の「広告等」に該当します。
そのため、
「SNSなので正式な広告ではない」
「文字数が少ない投稿なので広告規制は適用されない」
「インフルエンサーの個人的な感想なので会社とは関係ない」
といった形式的な判断は危険です。
SNSマーケティングを行う場合には、投稿単体ではなく、広告からランディングページ、口座開設ページ、DM、LINE等への誘導までを一連の顧客導線として確認する必要があります。
金融商品取引業者が、その金融商品取引業の内容について広告等を行う場合には、法令上必要とされる事項を表示する必要があります。
代表的なものとして、金融商品取引業者の商号又は名称、金融商品取引業者である旨、登録番号などがあります。
さらに、対象となる金融商品や取引内容によっては、顧客が負担する手数料その他の費用、元本損失リスク、レバレッジ取引における元本超過損の可能性その他の重要事項についての表示が必要となります。
重要なのは、「どこかに書いてあればよい」というものではないことです。
広告の内容、媒体、画面構成、文字サイズ、表示時間、リンク先との関係などを含めて、投資者が明瞭かつ正確に認識できる表示になっているかが問題となります。
金融商品の収益性だけを大きく表示し、損失リスクを小さく表示するような広告設計は適切ではありません。
例えば、
「高利回り」
「少額から資産形成」
「毎月分配」
「プロが運用」
といったメリットを大きく強調しながら、元本割れの可能性や手数料を極端に小さく表示するような構成は、広告全体として投資者に誤認を与える可能性があります。
SNS広告ではスマートフォンの小さな画面で閲覧されることが多いため、PC画面では確認できる注意事項であっても、スマートフォンではほとんど読めないというケースにも注意が必要です。
金融商品取引業者は、利益の見込みその他一定の事項について、著しく事実に相違する表示や、著しく人を誤認させるような表示を行うことができません。
過去の運用成績の一部だけを取り出して強調する表示、都合の良い期間だけを抽出した実績表示、恣意的な条件に基づくシミュレーションなどは特に慎重な検討が必要です。
「過去にこの程度上昇したから今後も同程度上昇する」
「この手法なら高確率で利益が出る」
と受け取られる表示についても、根拠、前提条件、リスク表示を含めて広告全体を審査する必要があります。
「必ず上がる」「絶対に儲かる」「損をすることはない」といった表現は、単に誇大広告の問題だけで判断すべきものではありません。
金融商品取引法では、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げて金融商品取引契約の締結を勧誘する行為も禁止されています。
そのため、SNS投稿自体だけではなく、その後のDM、LINE、チャット、電話、オンライン面談等で担当者がどのような説明を行っているかまで管理することが重要です。
広告審査と勧誘管理は別々の問題ではなく、実際の顧客獲得プロセスでは連続したコンプライアンス管理として設計する必要があります。
近年の金融マーケティングでは、公開された広告からDMやLINE等のクローズドな環境へ顧客を誘導する手法が多く利用されています。
しかし、公開投稿の内容だけを広告審査して終わりにすることは適切ではありません。
公開SNSからDMへ誘導し、DMからLINEグループへ移動し、その後に具体的な商品説明や口座開設案内を行うのであれば、各段階について広告、勧誘、商品説明、適合性その他の規制との関係を検討する必要があります。
営業担当者がDMで自由に文章を作成できる体制は、特にリスクが高くなります。
会社が承認していない収益率の説明、将来価格の予測、競合他社との比較、個別銘柄の推奨などが現場判断で行われないよう、定型文、禁止表現、エスカレーション基準を整備することが重要です。
SNSやメールでは文字数・画面サイズに制約があるため、詳細な手数料やリスク説明を別ページに表示する方法が問題となります。
この場合、広告とリンク先との間に、顧客から見て十分な一体性が認められるかが重要です。
必要事項のページまで何度もクリックする必要がある場合や、リンク先のページを長時間スクロールしなければリスク情報を確認できない場合には、「リンク先に書いてあるから問題ない」と単純に考えることはできません。
「手数料等の詳細」「リスクに関する説明」など、遷移先の内容が分かる形で案内し、重要なリスクを容易に確認できる設計にすることが重要です。
SNS広告のコンプライアンスは、文章だけではなく、UI・UXや顧客導線まで含めて検討する必要があります。
第三者が独自に行った投稿が、常に金融商品取引業者自身の広告として扱われるわけではありません。
しかし、金融商品取引業者が投稿内容を指示している場合、報酬を支払って広告宣伝を依頼している場合、自社の投稿と第三者の投稿が一体として認識される場合などには、単なる第三者の自主的投稿とは異なる評価が必要になります。
したがって、
「インフルエンサーが自分で書いた文章だから当社には関係ない」
という形式だけで判断するのは適切ではありません。
契約関係、報酬体系、投稿内容に対する指示権限、事前確認の有無、投稿後の修正権限などを総合的に確認する必要があります。
口座開設数、入金額、取引件数などに応じて報酬が増える仕組みは、インフルエンサー側に強い顧客誘引インセンティブを発生させます。
その結果、
「今買わないと損」
「初心者でも簡単に稼げる」
「この会社なら安全」
といった過度な表現が生じるリスクがあります。
金融商品を取り扱う事業者では、一般の商品販売におけるインフルエンサーマーケティングと同じ感覚で制度設計をするべきではありません。
契約段階から禁止事項を明確にし、投稿前の審査、掲載後のモニタリング、違反時の修正・削除、契約解除等まで設計することが重要です。
アフィリエイターが作成するコンテンツは、金融商品取引業者自身が直接作成した広告とは必ずしも同じ扱いになるわけではありません。
しかし、自社の商品・サービスに関する不適切な広告が掲載されないよう、金融商品取引業者側にも適切な管理が求められます。
特に、アフィリエイターと直接契約している場合には、金融商品取引業者が広告内容について一定の指示を行える関係にあるため、事前審査その他、自社広告に近い管理が必要となります。
ASPなどを介する場合についても、「直接契約していないから何も確認しなくてよい」ということにはなりません。
広告主、ASP、アフィリエイターの役割を整理し、不適切な広告の発見、報告、修正、停止が機能する管理体制を作ることが重要です。
インフルエンサーが単に企業イメージを紹介する場合と、具体的な金融商品の取得を勧める場合とでは、法的評価が異なります。
特定の有価証券について商品内容を説明し、
「この商品を買うべきです」
「申込みはこちらです」
などと取得を促し、その成果に連動して報酬を受け取るようなスキームでは、単純な広告出演を超えて、金融商品取引業に該当する行為を行っていないかを検討する必要があります。
また、有償で個別銘柄や投資判断に関する助言を継続的に行う場合には、投資助言・代理業との関係も問題となり得ます。
名称を「PR」「紹介」「アンバサダー」「コンサルティング」などとしても、実際の行為内容によって規制の適用関係が判断されます。
したがって、インフルエンサーを利用する際には、金融商品取引業者側の広告規制だけではなく、インフルエンサー側に別途金融商品取引業の登録が必要となる行為をさせていないかという視点も必要です。
第一種金融商品取引業の登録は、申請書や社内規程を形式的に作成すれば完了する手続ではありません。
実際に業務を適正に遂行できる人的構成、組織、権限分配、内部管理態勢を整備する必要があります。
SNS広告を主要な集客手段として想定している事業者であれば、登録準備段階から広告管理態勢を具体化しておく必要があります。
広告審査については、「法令を遵守する」とだけ規定しても、実効的な内部管理態勢とはいえません。
どの資料を広告審査の対象とするのか、広告案を誰が申請するのか、誰が審査するのか、どのようなチェック項目を確認するのか、誰が最終承認するのかを具体的に定める必要があります。
さらに、SNS投稿、動画、インフルエンサー投稿、アフィリエイト広告、メールマガジン、セミナー資料、営業資料等について、媒体ごとの運用ルールを策定することが重要です。
広告審査担当者が営業実績について強い責任を負っている場合、広告審査の独立性が十分に機能しない可能性があります。
「売上を増やしたい部門」と「法令違反を防止する部門」の役割を整理し、必要に応じてコンプライアンス部門が広告掲載を差し止められる権限を確保することが重要です。
スタートアップでは限られた人員で複数の職務を兼務することが多いため、単純に兼務の有無だけではなく、実際に牽制が働く権限設計になっているかを検討する必要があります。
SNSでは、広告掲載後にも内容が変更されたり、第三者のコメント、転載、インフルエンサーの独自投稿などが発生します。
そのため、掲載前の審査だけではなく、掲載後のモニタリングも重要です。
不適切な表示を発見した場合に、誰が確認し、誰が投稿者へ修正を要求し、どのような場合に広告を停止するのかを事前に決めておく必要があります。
重大な問題が発生した場合には、コンプライアンス責任者や経営陣へ報告するエスカレーションルールも必要となります。
適切な広告審査を行っていても、その記録が存在しなければ、後から審査プロセスを説明することが困難になります。
広告案、審査日、審査担当者、指摘事項、修正内容、承認者、掲載期間などを確認できる状態にしておくことで、内部監査や当局への説明にも対応しやすくなります。
SNS投稿についても、投稿が削除・修正される可能性を前提として、会社側で審査済みの最終版を管理する仕組みを整えることが重要です。
収益性を強く訴求する一方で、元本損失リスクや手数料をほとんど表示していない広告は注意が必要です。
金融商品のメリットとリスクが適切なバランスで表示されているかを広告全体として確認する必要があります。
過去の運用成績は、将来の運用成果を保証するものではありません。
都合の良い期間や銘柄だけを抽出して広告に掲載する場合には、投資者に誤解を与えないよう慎重な審査が必要です。
契約上は単なる広告出演者であっても、実際のSNS上では具体的な金融商品を推奨している場合があります。
広告契約を締結しただけで管理を終了せず、実際の投稿内容を確認する必要があります。
海外事業者だから日本の金融商品取引法が問題にならないとは限りません。
日本居住者を対象とする広告や勧誘が行われる場合、日本国内の登録規制との関係を慎重に確認する必要があります。
社員が個人アカウントを使用して顧客を勧誘する場合も、会社のコンプライアンス管理から外してよいわけではありません。
公式アカウントだけではなく、役職員によるSNS利用についても社内ルールを定めることが望まれます。
SNSを利用した投資詐欺、無登録業者への誘導、著名人になりすました広告などは、金融行政上の重要課題となっています。
金融庁はSNS上の投資詐欺が疑われる広告等について情報を受け付ける体制を設けており、SNS事業者等と連携した対応も行っています。
さらに2026年8月には、関係省庁が大規模SNS事業者に対し、なりすまし詐欺広告への対策強化を要請しています。
これは、適法に登録を受けている金融商品取引業者について、新たに一律の「SNS専用規制」が創設されたという意味ではありません。
しかし、SNSを起点とする金融被害が重点的に取り上げられている以上、登録金融商品取引業者にも、広告媒体、委託先、顧客導線を適切に管理することがこれまで以上に重要になっています。
第一種金融商品取引業への参入を予定している場合、広告規制を登録直前に検討するのでは遅いことがあります。
ビジネスモデルを設計する段階で、顧客獲得方法を確認し、その方法に合わせて内部管理態勢を作ることが合理的です。
誰が広告を作成するのか。
インフルエンサーを利用するのか。
アフィリエイトを利用するのか。
SNSからDMへ誘導するのか。
営業担当者がチャットで商品説明を行うのか。
広告代理店へどこまで業務を委託するのか。
これらのマーケティング設計によって、必要となる社内規程、審査体制、モニタリング方法は変わります。
金融商品取引業の登録申請とマーケティング戦略を別々に設計するのではなく、最初から一体として設計することが重要です。
行政書士 緒方法務事務所では、金融商品取引業の登録を単なる申請書作成業務として取り扱うのではなく、実際の事業スキームと内部管理態勢を踏まえて申請準備を進めます。
第一種金融商品取引業の登録を予定している事業者については、事業スキームの整理、登録業種の検討、組織体制・職務分掌の整理、社内規程・業務マニュアルの作成、広告審査フローの設計、行政当局との事前相談その他の登録実務を、行政書士が取り扱うことのできる範囲で支援します。
SNSを実際に運用できるレベルまで広告審査ルールを具体化します。
単に法令を転記した規程ではなく、広告の申請、審査、承認、掲載、記録保存、事後モニタリング、違反発見時の対応まで、実際の業務フローに対応する規程・マニュアルの整備を支援します。
外部マーケティング事業者を利用する場合には、その契約形態と実際の業務内容を確認します。
投稿前審査、禁止表現、成果報酬、投稿後モニタリング、修正・削除、報告、違反時対応など、外部委託先を実効的に管理するための仕組みを検討します。
金融商品取引業では、「登録を取るための書類」と「登録後に使用する実務ルール」を分離しないことが重要です。
申請書、業務方法、組織図、職務分掌、社内規程、広告審査マニュアル等の内容が相互に整合するよう整理することで、登録後に実際に運用できる体制の構築を目指します。
投稿内容によります。 個別の金融商品や金融商品取引業の内容を表示する投稿については、広告等に該当する可能性があります。単にSNSという媒体を利用していることだけを理由に広告規制の対象外となるわけではありません。
一律には判断できません。 契約関係、報酬、投稿内容に対する会社の関与、会社の投稿との一体性などを踏まえて判断する必要があります。また、自社広告への該当性とは別に、外部委託先として適切に管理すべき場合があります。
リンクを設ければ当然に足りるわけではありません。 広告とリンク先について顧客から見た一体性が認められるか、必要事項へ容易に到達できるか、重要なリスクが分かりやすく表示されているかなどを検討する必要があります。
極めて問題の大きい表現です。 誇大広告だけでなく、不確実な事項について断定的判断を提供して勧誘する行為に関する規制も問題となります。
一部業務を外部へ委託することは考えられますが、委託したことで金融商品取引業者側の管理責任がなくなるわけではありません。 審査基準、報告体制、委託先の監督、最終的な承認権限などを適切に設計する必要があります。
登録申請準備の段階から整備することを推奨します。 広告・勧誘管理を含む内部管理態勢は、登録後の事業運営に直結するため、事業計画、組織体制、職務分掌、社内規程と一体として設計する必要があります。
実際に行う行為によっては検討が必要です。 特定の金融商品の取得について具体的な説明・勧誘を行う場合や、有償で投資判断に関する助言を行う場合などは、単なる広告出演を超えて金融商品取引法上の登録規制が問題となる可能性があります。
検討中の事業内容と現在の準備状況を添えて、ご相談ください。
編集・発信:行政書士 緒方法務事務所
運営責任者:特定行政書士 緒方 隆朗(資格・経歴・事務所概要)
ページ更新日:2026年10月16日