友だち追加で、後日の疑問もLINEで個別相談
ポイント・プリペイドサービスが成長すると、利用者数や売上だけでなく「未使用残高」の管理が重要になります。
図表の使い方:図表右上の「目次」をクリック(スマートフォンではタップ)し、読みたい項目をお選びください。続きがある場合は「次へ」でご覧いただけます。詳しい説明は本文にも掲載しています。
記事を読んで生じた疑問や、ご自身の事業で必要な手続きについて、LINEで緒方法務事務所へ個別にご相談いただけます。友だち追加後、トーク画面からご質問ください。 LINEで質問・相談
ポイント・プリペイドサービスが成長すると、利用者数や売上だけでなく「未使用残高」の管理が重要になります。
利用者から代金を受け取り、ポイント、コイン、残高、電子マネー等を付与し、将来の商品購入やサービス利用に使用できる仕組みは、設計によって資金決済法上の「前払式支払手段」に該当します。
前払式支払手段に該当する場合、一定の事業者には、利用者保護のため発行保証金による資産保全が求められます。
特に問題となるのが、基準日における未使用残高が1,000万円を超える場合です。
事業が成長したにもかかわらず、発行保証金について事前に資金計画を立てていなければ、数百万円、数千万円単位の資金を短期間に保全する必要が生じることがあります。
緒方法務事務所では、単に供託手続を行うだけではなく、ポイントサービスの法的分類、未使用残高の算定、保全方法の選定、金融機関との保全契約、財務局への届出までを一体として検討します。
すべてのポイントが資金決済法の規制対象になるわけではありません。
「ポイント」という名称ではなく、実際にどのような仕組みで発行され、誰が利用でき、どこで使用できるのかによって判断されます。
利用者から対価を受けてポイントや残高を発行し、そのポイント等を将来の商品・サービスの支払に使用できる場合には、前払式支払手段に該当する可能性が高くなります。
例えば、1万円をチャージすると1万ポイントが付与され、後日そのポイントを商品購入に使用できる仕組みが典型例です。
名称が「ポイント」「コイン」「チケット」「クレジット」「残高」などであっても、法的評価は変わりません。
商品購入額に応じて無償で付与する通常のボーナスポイントは、対価を得て発行するものではないため、有償発行ポイントとは法的評価が異なります。
ただし、有償ポイントと無償ポイントを同一残高で管理している場合や、有償・無償の区別がシステム上判別できない場合には、未使用残高の算定や規約設計が複雑になります。
ポイント制度を開始する段階から、有償残高と無償残高を区分して管理できる設計としておくことが重要です。
発行会社自身の商品・サービス等に使用できるポイントは、原則として自家型前払式支払手段の検討対象となります。
自家型の場合、発行開始時から直ちに届出が必要になるわけではなく、基準日における未使用残高が一定額を超えた段階で届出義務が問題となります。
発行会社以外の加盟店の商品・サービスの購入にも使用できる仕組みでは、第三者型前払式支払手段に該当する可能性があります。
第三者型は、自家型とは異なり、未使用残高が1,000万円に達するまで無登録で事業を行えばよいという制度ではありません。
事業開始前から登録の要否を検討する必要があります。
したがって、ポイント事業では「残高がいくらになるか」だけでなく、誰の店舗で使えるか、加盟店との精算関係がどうなっているかまで確認する必要があります。
資金決済法上、毎年3月31日と9月30日が原則的な基準日です。
この基準日における基準日未使用残高が1,000万円を超える場合、原則としてその未使用残高の2分の1以上について資産保全が必要になります。
ここで非常に重要なのは、1,000万円を超えた部分の2分の1ではないという点です。
必要となる保全額は、原則として1,000万円以上です。
「2,000万円-1,000万円=1,000万円、その半分の500万円」ではありません。
原則として2,500万円以上の保全が必要になります。
ポイント事業が急速に拡大すると、利用者から受け取った資金を運転資金として使用していたにもかかわらず、その後まとまった保全資金が必要になることがあります。
そのため、3月31日と9月30日になってから対応するのではなく、数か月前から未使用残高を予測することが重要です。
最も基本的な方法が、発行保証金を供託する方法です。
必要額に相当する金銭等を供託し、利用者保護のための財産として確保します。
制度として分かりやすい一方、現金を使用して供託する場合には、その分だけ自由に使用できる資金が減少します。
成長企業やスタートアップでは、未使用残高の増加に伴って数千万円規模の保全が必要となれば、資金繰りに大きな影響を与える可能性があります。
現金供託による資金拘束を抑えるために重要なのが「発行保証金保全契約」です。
資金決済法所定の要件を満たす金融機関等との間で、一定の場合に発行保証金を供託する内容の保全契約を締結し、その旨を届け出ることにより、保全金額に相当する範囲について直接供託を行わない方法です。
例えば、必要な保全額が2,000万円であり、2,000万円について適法な発行保証金保全契約を締結できれば、その範囲について現金による供託を回避できる可能性があります。
最大のメリットは、一定額の現金を直接供託する場合と比較して、手元流動性を維持しやすいことです。
事業拡大のためのマーケティング費用、人件費、システム開発費等に必要な運転資金を確保しながら、法定の資産保全に対応できる可能性があります。
発行保証金保全契約は、希望すれば必ず締結できる制度ではありません。
金融機関側では、発行会社の財務内容、事業内容、未使用残高、資金繰り、将来の発行計画等を踏まえ、契約の可否を判断します。
保証料や担保等の条件が設定される場合もあります。
そのため、基準日の直前になって初めて金融機関へ相談するのではなく、未使用残高が基準額へ接近している段階から準備することが重要です。
資金決済法では、信託会社等との発行保証金信託契約による資産保全も認められています。
一定の財産を信託財産として管理することにより、利用者保護のための財産を事業者自身の一般財産から分離します。
直接供託や保全契約とは異なるメリットがありますが、信託財産として資産を確保する必要があるため、単純に「現金を手元に残す」という目的だけであれば、保全契約と同じ効果になるとは限りません。
事業規模、財務状況、金融機関との取引関係等を考慮し、最も適切な方法を選択する必要があります。
資産保全方法は、事業の状況に応じて組み合わせを検討することもできます。
例えば、必要保全額の一部を発行保証金保全契約によってカバーし、残りを供託するという設計も考えられます。
既に現金供託を行っている事業者についても、将来の基準日に向けて保全契約等へ切り替えることで、資金拘束を軽減できる可能性があります。
重要なのは、「法律上最低限必要な金額だけを見る」のではなく、金融機関の保証料、担保条件、信託コスト、現金保有額、将来の未使用残高まで含めて比較することです。
資金決済法には、発行の日から6か月以内に限って使用できる一定の前払式支払手段について適用除外となる仕組みがあります。
そのため、サービス設計段階では、有効期限を含めた商品設計が法規制上重要になることがあります。
しかし、単に利用規約に「6か月」と書けば必ず適用除外になるわけではありません。
実際の発行日、利用期限、残高更新、追加チャージ、期限延長、失効処理、システム管理等を含め、実態として適用除外要件を満たす仕組みになっているかを確認する必要があります。
また、利用者利便性やマーケティングへの影響もありますので、供託義務を回避することだけを目的としてサービス設計を変更することが適切とは限りません。
3月末と9月末だけ残高を確認する運用は危険です。
ポイントの発行額、使用額、失効額を月次で管理し、次回基準日の予想未使用残高を把握します。
有償残高とキャンペーン等による無償残高をシステム上区分して管理することが重要です。
両者を一括して管理すると、法令上の未使用残高算定が困難になる場合があります。
保全契約を利用するのであれば、金融機関の審査期間を見込む必要があります。
必要額が確定してからではなく、未使用残高が増加している段階から準備します。
ポイントの有効期限、利用範囲、払戻し、譲渡、加盟店利用等について、利用規約とシステム上の実際の処理が一致していなければなりません。
規約だけ整備しても、実際のサービス仕様が異なれば法的評価は実態に基づいて行われます。
ポイントサービスの問題は、発行保証金だけではありません。
利用者間で残高を移転できる仕組み、現金への払戻し、加盟店精算、暗号資産や電子決済手段との交換等を組み合わせると、前払式支払手段だけではなく、資金移動業その他の金融規制が問題となる可能性があります。
サービス開始前又は仕様変更前に、制度全体を確認することが重要です。
違います。
基準日未使用残高が基準額を超えた場合には、原則として基準日未使用残高全体の2分の1以上が保全対象となります。
自社だけで使用できるポイントでも、自家型前払式支払手段として資金決済法の対象となる場合があります。
未使用残高等によって届出・資産保全義務が生じる可能性があります。
これは誤りです。
第三者型前払式支払手段は、自家型とは異なる登録制度です。
加盟店型ポイントサービスを開始する場合には、残高の多寡だけで登録要否を判断してはいけません。
無償で付与されたポイントと、利用者から対価を受けて発行したポイントでは法的評価が異なります。
実際の発行条件や管理方法を確認して判断する必要があります。
必ずしもそうではありません。
基準日未使用残高の減少等により必要保全額が低下した場合には、法令上の要件と所定の手続に従って発行保証金を取り戻すことができる場合があります。
緒方法務事務所では、単なる届出書の作成だけではなく、ポイント・プリペイドサービス全体の規制設計から対応します。
主な対応業務は、前払式支払手段への該当性判断、自家型・第三者型の判定、基準日未使用残高の整理、自家型発行者届出、第三者型発行者登録、発行保証金の必要額確認、発行保証金保全契約に関する手続、発行保証金信託契約に関する手続、供託関係手続、財務局への各種届出・報告、利用規約・表示内容の確認、当局からの照会対応等です。
特に、サービス開始後に規制へ合わせるのではなく、サービス設計段階から法規制を織り込むことを重視しています。
ポイント、プリペイド、電子マネー、ウォレット等は、サービス仕様のわずかな違いによって適用される法制度が変わることがあります。
金融規制を後付けで処理するのではなく、事業モデル、システム、契約、利用規約、資産保全を一体として設計することが重要です。
基準日の直前ではなく、超過する可能性が見えた段階での相談を推奨します。
保全契約を利用する場合には金融機関との協議・審査が必要となるため、十分な準備期間を確保することが重要です。
必ずそうなるとは限りません。
金融機関の与信審査によって担保等を求められる可能性があるほか、保証可能額によっては供託等との併用が必要になる場合があります。
現在の供託状況、必要保全額、契約内容等を確認したうえで、保全方法の変更を検討できる場合があります。
単純な資金移動ではなく、法定の手続との整合性を確保して進める必要があります。
購入代金から発生する有償部分と、事業者が無償で付与する特典部分は区別して検討する必要があります。
サービス規約だけでなく、実際の残高管理方法を確認して判断します。
有効期間が6か月以内であることは重要な論点ですが、それだけで機械的に結論を出すべきではありません。
発行日、期限延長の有無、再発行・チャージ時の取扱い等を含め、制度全体が適用除外要件を満たしているか確認する必要があります。
残高の移転機能は慎重な検討が必要です。
移転方法、換金性、利用可能先、交換先、本人確認の仕組み等によって金融規制上の評価が変わる可能性があります。
サービス実装前の法的確認を推奨します。
可能です。むしろサービス開始前の確認が重要です。
自家型・第三者型の区分、前払式支払手段該当性、有効期限、加盟店設計、残高管理、払戻し、利用者間移転等を事前に整理することで、後から大幅なシステム改修や規約変更が必要になるリスクを抑えられます。
ポイント・プリペイド事業の資金決済法対応をご相談ください
「次の基準日には未使用残高が1,000万円を超えそう」「現金供託による資金拘束を減らしたい」「銀行との保全契約を検討したい」「そもそも自社ポイントが資金決済法の対象なのか確認したい」という段階から対応可能です。
発行保証金だけを切り離して考えるのではなく、前払式支払手段への該当性、事業スキーム、利用規約、システム仕様、未使用残高、資産保全方法、財務局への行政手続まで一体として整理します。
金融規制・金融許認可を専門分野とする行政書士として、ポイント・プリペイドサービスの制度設計から届出・登録・継続的な法令対応まで支援します。
編集・発信:行政書士 緒方法務事務所
運営責任者:特定行政書士 緒方 隆朗(資格・経歴・事務所概要)
ページ更新日:2026年10月16日