「資産運用立国」で加速する海外マネー流入。海外投資家向けファンド組成と「第二種金融商品取引業」の活用法
「資産運用立国」で加速する海外マネー流入。海外投資家向けファンド組成と「第二種金融商品取引業」の活用法
「資産運用立国」で加速する海外マネー流入。海外投資家向けファンド組成と「第二種金融商品取引業」の活用法
記事概要
政府が掲げる「資産運用立国」政策や円安を追い風に、海外投資家からの資金調達を検討する事業者が増えています。非居住者を受け入れる際のリスク管理、犯収法(AML/CFT)対応、そして「適格機関投資家等特例業務」から「第二種金融商品取引業」へ移行するメリットについて解説します。
本文
現在、政府は「資産運用立国」の実現を掲げ、海外の資産運用業者や投資マネーを日本に呼び込むための環境整備を急ピッチで進めています。
加えて、昨今の為替市場の動向もあり、日本の不動産や再エネ事業は、海外投資家にとって依然として魅力的な投資対象となっています。
当事務所にも、「海外の投資家から資金を集めてファンドを作りたい」というご相談が増加しています。しかし、相手が「非居住者(海外投資家)」である場合、国内投資家向けのファンドとは異なる、高度な規制対応が求められます。
今回は、海外マネーを受け入れる際の注意点と、本格的な資金調達を行うための「第二種金融商品取引業」の重要性について解説します。
1. 「特例業務(届出)」の落とし穴と限界
ファンド組成の第一歩として、登録ではなく届出で済む「適格機関投資家等特例業務」を利用される事業者様は多くいらっしゃいます。プロ(適格機関投資家)が1名以上いれば、49名以下の一般投資家(アマ)からも出資を募れるこの制度は非常に便利です。
しかし、海外投資家を相手にする場合、この「特例業務」のハードルは意外に高いことをご存知でしょうか?
特例業務の対象となる海外投資家は、日本の「適格機関投資家」に相当する者か、一定の要件を満たす海外法人・富裕層などに限られます。
問題は、「その海外投資家が本当に対象要件を満たしているか」を、日本の事業者が自らの責任で確認・立証しなければならない点です。各国の法制度が異なる中で、この属性確認(ステータス確認)を厳密に行うことは実務上非常に難しく、もし判断を誤れば無登録営業として違法行為になりかねません。
2. 本格参入なら「第二種金融商品取引業」の登録を
そこで、継続的に海外投資家からの資金調達を目指すのであれば、「第二種金融商品取引業」の登録(ライセンス取得)を強くお勧めします。
登録業者となれば、社会的信用度が格段に上がります。
また、特例業務のような「投資家の属性」に関する極めて限定的な縛りが緩和されるため(もちろん適合性の原則は守る必要がありますが)、より広範な投資家層へのアプローチが可能になります。
海外の機関投資家やファミリーオフィスも、出資先を選定する際、相手が「日本の金融当局(財務局)の登録を受けている業者かどうか」を厳しくチェックします。二種金商の登録は、海外マネーを呼び込むための「パスポート」とも言えるのです。
3. 最重要課題は「KYC」と「マネロン対策」
海外投資家を受け入れる際、登録審査や実務運用で最も厳しく問われるのが、KYC(本人確認)とAML/CFT(マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策)です。
取引時確認(犯収法):
非居住者の実質的支配者は誰か? その国はFATF(金融活動作業部会)のハイリスク国ではないか? 本人確認書類は真正なものか?
資産凍結措置への対応:
投資家が制裁対象リストに含まれていないか?(外為法関連)
これらを確実に実行するための社内規程(AML規程)の整備と、それを運用できる「人的構成(コンプライアンス担当者の知識・経験)」が、二種登録の審査では徹底的に見られます。
「英語ができるスタッフがいる」だけでは不十分で、「国際的な金融規制や犯収法を理解しているスタッフがいる」ことが必要なのです。
4. コンプライアンス体制の構築をサポートします
海外投資家向けファンドは大きなビジネスチャンスですが、一歩間違えれば国際的な金融犯罪に巻き込まれたり、当局からの処分対象となったりするリスクを孕んでいます。
当事務所では、単なる書類作成代行にとどまらず、以下のような実質的なサポートを行っております。
ビジネスモデルの適法性診断:
特例業務でいくべきか、二種登録を目指すべきかの戦略立案
AML/CFT態勢の構築支援:
海外投資家に対応した具体的な取引時確認マニュアルの策定
登録申請サポート:
財務局との事前相談から本申請までの折衝代行
「海外からの資金調達を考えているが、日本の法規制をクリアできるか不安だ」「特例業務から正規の登録業者へステップアップしたい」とお考えの事業者様は、ぜひ一度ご相談ください。
国際基準に則った堅実な体制構築を支援し、貴社の「資産運用ビジネス」の拡大を後押しします。