友だち追加で、後日の疑問もLINEで個別相談
本記事は、誰が持分を勧誘し、誰が投資判断を行うかに基づいて、第二種金融商品取引業・投資運用業・63条特例を整理する入口です。投資対象に特有の手続は不動産・再エネファンドの解説、組成の依頼範囲はファンド組成サービスをご覧ください。
図表の使い方:図表右上の「目次」をクリック(スマートフォンではタップ)し、読みたい項目をお選びください。続きがある場合は「次へ」でご覧いただけます。詳しい説明は本文にも掲載しています。
記事を読んで生じた疑問や、ご自身の事業で必要な手続きについて、LINEで緒方法務事務所へ個別にご相談いただけます。友だち追加後、トーク画面からご質問ください。 LINEで質問・相談
本記事は、誰が持分を勧誘し、誰が投資判断を行うかに基づいて、第二種金融商品取引業・投資運用業・63条特例を整理する入口です。投資対象に特有の手続は不動産・再エネファンドの解説、組成の依頼範囲はファンド組成サービスをご覧ください。
ファンド事業を開始するとき、最初に検討すべきなのは「どのファンドを作るか」だけではありません。
投資家から資金を集め、その資金を用いて事業や投資を行い、利益を投資家へ分配する仕組みは、契約名称や法人形態にかかわらず、金融商品取引法上の「集団投資スキーム」に該当する可能性があります。
匿名組合、任意組合、投資事業有限責任組合(LPS)、GK-TKその他の仕組みを用いた場合でも、ファンド持分が金融商品取引法上の有価証券に該当すれば、募集・私募、運用、販売方法等に応じて、第二種金融商品取引業、投資運用業又は適格機関投資家等特例業務などの検討が必要になります。
重要なのは、「ファンドの器」だけを見るのではなく、「誰が、誰に対して、どの権利を勧誘し、集めた資金を何に投資し、誰が運用判断を行うのか」を一体として分析することです。
緒方法務事務所では、ファンド組成の初期段階から、金融商品取引法上の登録・届出要否の判定、スキーム整理、財務局との事前相談、第二種金融商品取引業登録、投資運用業登録、適格機関投資家等特例業務の届出、社内規程・業務フローの整備まで一貫して支援しています。
金融商品取引法は、契約書の名称ではなく経済的な実態を重視します。
典型的には、複数の者から金銭その他の財産の出資又は拠出を受け、その財産を用いて事業又は投資を行い、その事業から生じた収益又は財産を出資者へ分配する権利は、一定の例外を除き「集団投資スキーム持分」に該当します。
集団投資スキーム持分は、金融商品取引法上、有価証券とみなされます。
したがって、「株式や社債を発行していない」「匿名組合契約を締結するだけ」「知人だけから資金を集める」といった事情だけで金融商品取引法の適用を回避できるわけではありません。
ファンド事業では、「資金を集める行為」と「集めた資金を運用する行為」を分けて考える必要があります。
ファンドの組成者が自ら集団投資スキーム持分を投資家に勧誘する行為は、原則として第二種金融商品取引業の問題になります。
これに対し、投資家から出資を受けた財産を、投資判断に基づき、主として株式、社債、ファンド持分、信託受益権その他の有価証券又はデリバティブ取引に係る権利へ投資して運用する場合には、原則として投資運用業の問題になります。
つまり、第二種金融商品取引業の登録を取得しただけで、当然にファンドの自己運用まで行えるわけではありません。
ファンドの募集と運用を同一の事業者が担当する場合には、第二種金融商品取引業と投資運用業の双方が問題となることがあります。
匿名組合は、不動産、再生可能エネルギー、事業投資その他幅広いファンドで利用される代表的な契約型スキームです。
商法上の匿名組合では、営業者が事業を行い、匿名組合員が営業者へ出資し、その営業から生じる利益の分配を受けます。
事業に関する第三者との法律関係は原則として営業者に帰属するため、匿名組合員は通常、営業者自身のように事業を執行する立場にはありません。
一方、匿名組合員の権利は金融商品取引法上の集団投資スキーム持分となることが多く、その自己募集には原則として第二種金融商品取引業の登録又は適格機関投資家等特例業務等の検討が必要です。
任意組合は、複数の当事者が共同で事業を行う性格の強いスキームです。
民法上の組合契約により形成され、構成員が共同して事業へ関与することを基本とします。
ただし、「任意組合」という名称を使用すれば金融商品取引法の適用外になるわけではありません。
出資者から財産を集め、出資者が事業運営へ実質的に関与せず、事業収益の分配を受けるという構造であれば、集団投資スキーム持分への該当性を検討する必要があります。
LPSは、ベンチャーキャピタル、プライベートエクイティ、スタートアップ投資、事業承継ファンドなどで広く利用される制度です。
LPSでは、業務執行を行い無限責任を負う無限責任組合員(GP)と、原則として出資額を限度として責任を負う有限責任組合員(LP)によって組合が構成されます。
投資対象については投資事業有限責任組合契約に関する法律による規律があり、近年も投資対象その他の制度改正が行われています。
そのため、過去の一般的な解説だけでLPSの投資可能範囲を判断するのではなく、組成時点の法令に基づく確認が必要です。
また、LPに対するLPS持分の勧誘や、GPによる組合財産の運用については、金融商品取引法上の第二種金融商品取引業、投資運用業又は適格機関投資家等特例業務の検討が必要になります。
合同会社(GK)を営業者とし、投資家との間で匿名組合契約(TK)を締結するGK-TKスキームは、実務上非常に重要なファンド形態です。
特に不動産信託受益権、再生可能エネルギー、インフラその他の投資案件で利用されます。
もっとも、GKを設立して匿名組合契約を締結しただけで規制対応が完了するわけではありません。
匿名組合持分の募集、信託受益権の取得、ファンド財産の運用、アセットマネージャーへの運用委託など、それぞれの行為について金融商品取引法上の登録・届出要否を判定する必要があります。
自社又は自らが運営するファンドの持分を投資家へ勧誘する場合でも、原則として第二種金融商品取引業の対象となります。
「自分の商品を自分で販売するだけだから登録は不要」という整理にはなりません。
匿名組合持分、LPS持分その他の集団投資スキーム持分を自ら投資家へ勧誘する場合には、第二種金融商品取引業登録又は適用可能な特例制度を検討する必要があります。
他社が組成したファンドを投資家へ紹介し、契約成立へ向けた勧誘を行う場合も規制対象です。
単なる広告掲載や情報提供なのか、それとも投資判断を促す募集・私募の取扱いまで行っているのかは、名称ではなく実際の業務内容によって判断されます。
紹介料、成功報酬その他の報酬体系や、顧客とのコミュニケーション方法についても確認する必要があります。
ファンドから集めた資金を主として有価証券やデリバティブ取引へ投資する場合には、募集規制とは別に運用規制があります。
誰が投資判断を行い、誰の名義で取引し、どの資産へ投資するのかによって、投資運用業への該当性を検討します。
例えば、LPSのGPが投資先企業の株式を選定して取得する場合や、ファンド財産を用いて信託受益権等へ投資する場合には、投資運用業の論点が生じ得ます。
一定の要件を満たして運用権限の全部を適切な金融商品取引業者等へ委託するスキームでは、ファンド自身の自己運用について登録・届出義務の例外が成立する場合があります。
ただし、単に「運用会社に相談する」「投資助言を受ける」というだけでは足りません。
運用権限、投資一任契約、出資契約の内容、利益相反取引への対応、事前届出その他の法定要件まで確認してスキームを構築する必要があります。
適格機関投資家等特例業務は、第二種金融商品取引業や投資運用業の登録制度とは異なる、プロ投資家等を対象とした特例制度です。
原則として、少なくとも1名以上の適格機関投資家が参加し、これに加えて49名以下の「投資判断能力を有すると見込まれる一定の者」等を対象として、法令上の要件を満たす場合に利用を検討できます。
したがって、「一般個人を49人まで自由に募集できる制度」ではありません。
投資家の属性、資産状況、投資経験、ファンド関係者との関係その他について、法令上の対象投資家に該当するかを事前に確認する必要があります。
63条特例は金融商品取引業登録を不要とする制度ですが、金融規制そのものがなくなるわけではありません。
届出後も、勧誘・説明、虚偽説明の禁止、分別管理、帳簿・記録、事業報告その他の法令上の義務が生じます。
届出者、ファンド、役員、営業所等に関する一定の情報については当局による公表制度もあります。
投資家数の制限を形式的なファンド分割だけで判断することは危険です。
複数のファンドが実質的に同一の投資対象へ投資する場合や、他のファンドを介して同一事業へ資金を供給する場合などには、ファンド間の関係を含めて適格機関投資家等特例業務の要件を検証する必要があります。
連続して複数のLPSや匿名組合を組成する事業では、個々のファンドだけを見るのではなく、事業全体を横断した投資家管理が重要です。
法人が通常の第二種金融商品取引業を行う場合、原則として1,000万円以上の資本金又は出資総額が必要となります。
しかし、1,000万円を用意すれば登録できるという制度ではありません。
財務局の登録審査では、事業内容、経営体制、人的構成、内部管理体制、財務基盤その他を総合的に確認されます。
金融商品取引業を適確に遂行できる知識・経験を持つ役職員を配置できるかは、登録審査の中心的な論点です。
経営者、営業責任者、内部管理・コンプライアンス部門その他の担当者について、過去の金融実務経験、担当業務、権限、常勤性、兼務関係等が確認されます。
単に役職名として「コンプライアンス責任者」を設置するだけでは足りず、実際に業務を遂行できる体制となっている必要があります。
登録審査では、規程を作成するだけでなく、その規程どおりに業務を運営できるかが重要です。
法令等遵守、顧客管理、勧誘管理、広告審査、適合性確認、契約締結前交付書面、分別管理、反社会的勢力排除、AML/CFT、苦情・紛争処理、外部委託管理、情報管理、システム管理、事故対応、BCP、内部監査その他について、事業内容に応じた体制を整備します。
事業計画と社内規程が一致していない場合、事前相談の段階で大幅な見直しが必要になることがあります。
ホームページやオンラインプラットフォームを利用してファンドの取得申込みまで受け付ける場合、通常の第二種金融商品取引業だけでなく、電子募集業務・電子募集取扱業務等に関する規制を検討する必要があります。
ウェブサイト上の情報表示、投資家へのリスク説明、発行者審査、申込手続、システム管理、情報セキュリティその他について追加的な体制整備が必要になる場合があります。
「クラウドファンディング」という名称だけで適用制度が決まるわけではなく、募集主体、募集方法、対象となる権利、募集金額、投資家一人当たりの投資額等から制度を判定します。
匿名組合持分やその他の集団投資スキーム持分をブロックチェーン等でトークン化する場合には、通常の第二項有価証券としてのファンド規制だけでは判断できません。
トークンの移転方法その他の設計によって「電子記録移転権利」に該当する場合には、第一項有価証券として扱われ、取扱いに第一種金融商品取引業が問題となることがあります。
一方、一定の譲渡制限その他の要件を満たす適用除外電子記録移転権利として第二種金融商品取引業の対象となる場合もあります。
ファンドをデジタル化する場合には、ファンド組成後にトークン設計を追加するのではなく、最初から金融商品取引法上の有価証券区分を踏まえて設計する必要があります。
不動産ファンドでは、不動産特定共同事業法と金融商品取引法の双方を確認する必要があります。
現物不動産について複数の投資家から出資を受け、その売買、交換又は賃貸等から生じる収益を分配する事業については、不動産特定共同事業法が問題となります。
これに対し、不動産そのものではなく、不動産を信託した信託受益権を売買・運用するスキームでは、金融商品取引法上の有価証券取引として第二種金融商品取引業その他の規制が問題になります。
GK-TKスキーム、不動産信託受益権、特定目的会社その他を組み合わせる場合には、各当事者が行う業務ごとに適用法令を分解して確認しなければなりません。
太陽光発電所、系統用蓄電池、風力発電設備その他の実物資産を対象とするファンドでも、投資家へ販売するファンド持分自体が集団投資スキーム持分となることがあります。
したがって、ファンド財産の自己運用が投資運用業に該当しない場合であっても、ファンド持分の自己募集について第二種金融商品取引業又は63条特例等の検討が必要になることがあります。
さらに、発電事業、電力市場、土地利用、設備認定、事業譲渡等に関する行政手続が並行して必要になる場合があるため、投資スキームと許認可スキームを分離せず設計することが重要です。
海外のプロ投資家を中心として日本国内に運用拠点を設ける場合には、海外投資家等特例業務その他の制度を利用できる可能性があります。
国内投資家の有無、投資家の属性、海外での登録・運用実績、国内拠点、ファンド所在地、運用権限等によって利用可能な制度が異なります。
外国投資家を含むファンドでは、金融商品取引法だけでなく、外為法その他の関連規制も含めて検討することが重要です。
最初に、誰が資金を集め、誰が運用し、何へ投資し、誰から出資を受けるのかを整理します。
この段階で、集団投資スキーム持分への該当性、第二種金融商品取引業、投資運用業、63条特例、不動産特定共同事業法その他の適用可能性を判定します。
匿名組合、LPS、任意組合、GK-TKその他の候補から、投資対象、投資家属性、税務、ガバナンス、出口戦略を踏まえてスキームを選定します。
必要に応じて弁護士、税理士、司法書士その他の専門家とも連携します。
第二種金融商品取引業登録、投資運用業登録、適格機関投資家等特例業務、既存登録業者への業務委託その他から適切なルートを確定します。
ここで判断を誤ると、その後の契約書、組織体制、システム、投資家募集方法を全面的に変更しなければならない場合があります。
金融商品取引業登録では、正式申請書を提出する前の事前相談が実務上極めて重要です。
事業スキーム、組織図、役職員、収支計画、顧客属性、募集方法、資金管理方法等を整理し、当局から示される論点へ対応します。
登録又は届出に必要な書類を、実際の業務フローと整合するよう作成します。
申請書だけを完成させるのではなく、事業計画、組織体制、規程、契約書、システム、投資家への説明資料が一つの制度として整合していることが重要です。
金融規制は、登録や届出が受理された時点で終わりではありません。
役員、営業所、業務内容等の変更届、事業報告、法令改正への対応、社内規程改定、投資家管理その他の継続的なコンプライアンス対応が必要になります。
募集・運用の担当と利用する登録・特例を整理した後の受任範囲は、ファンド組成、第二種登録、投資運用業登録、63条特例届出でご案内しています。
金融商品取引法では、投資家から実際に入金を受けた段階だけが問題となるわけではありません。
ウェブサイトへの掲載、投資家への資料送付、説明会、個別面談、SNSでの案内、投資条件の提示その他の行為が勧誘に該当する可能性があります。
そのため、「資金が集まってから登録を考える」のでは遅い場合があります。
ファンドを企画した段階で、金融商品取引法上の登録・届出要否を確認し、その結果を前提として法人、契約、募集方法、運用体制を設計することが最も安全で効率的です。
A.匿名組合契約そのものではなく、その権利の性質と募集行為によって判断します。
匿名組合員が出資し、事業から得られる利益の分配を受ける一般的なファンド構造では、匿名組合持分が集団投資スキーム持分に該当し、その自己募集について原則として第二種金融商品取引業又は適用可能な特例制度の検討が必要です。
A.必ずしもできません。
第二種金融商品取引業は主としてファンド持分等の募集・私募その他の取扱いに関する登録です。
ファンド財産を主として有価証券やデリバティブ取引へ自己運用する場合には、別途、投資運用業又は適格機関投資家等特例業務等を検討する必要があります。
A.人数だけでは判断できません。
少なくとも1名以上の適格機関投資家が必要となるほか、それ以外の投資家についても法令上認められる一定の者である必要があります。
投資家の属性とファンド全体の構造を確認して判断します。
A.資本金は登録要件の一部にすぎません。
人的構成、経営管理、内部管理、コンプライアンス、顧客管理、財務基盤その他について登録審査を受けるため、事業開始前から組織全体を設計する必要があります。
A.LPSの設立と金融商品取引法上の業規制は別問題です。
LPS持分の募集やGPによる組合財産の運用について、第二種金融商品取引業、投資運用業又は63条特例等への該当性を確認する必要があります。
A.可能なスキームはありますが、通常の対面募集より規制項目が増える可能性があります。
電子募集業務等への該当性、ウェブ表示、投資家への情報提供、システム管理その他を事前に検討する必要があります。
A.可能ですが、通常のファンド持分とは異なる規制区分になる場合があります。
電子記録移転権利に該当すると第一項有価証券として扱われ、第一種金融商品取引業が必要となる可能性があるため、トークンを発行する前の法的設計が重要です。
A.日本国内に拠点や業務がある場合には、日本の金融商品取引法を検討する必要があります。
一方で、一定の海外投資家を対象とする特例制度を利用できる可能性もあるため、投資家、運用者、ファンド所在地等を含めて個別に判断します。
A.対応可能です。
むしろ、正式な登録申請書を作成した後ではなく、事業スキームと人的体制を検討する段階から相談することをお勧めします。
初期段階で規制上の問題を把握することで、後から法人構造や契約、採用計画を大幅に変更するリスクを抑えることができます。
検討中の事業内容と現在の準備状況を添えて、ご相談ください。
具体的な契約・組成の支援内容は、計画する形態に応じて次のページをご確認ください。
事業型・実物資産ファンドの組成をご検討の方は、集団投資スキーム組成支援をご覧ください。
投資事業有限責任組合の契約・組成をご検討の方は、LPS設立・組成支援をご覧ください。
匿名組合契約やGK-TKの組成をご検討の方は、匿名組合・TKファンド組成支援をご覧ください。
共同事業の仕組みや任意組合契約をご検討の方は、任意組合設立・契約書作成支援をご覧ください。
編集・発信:行政書士 緒方法務事務所
運営責任者:特定行政書士 緒方 隆朗(資格・経歴・事務所概要)
ページ更新日:2026年10月16日